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映画『 エリザベスタウン 』の主人公ドリュー・ベイラー(オーランド・ブルーム)は27歳。
ドリューはオレゴン州 Oregon の靴製造会社にもう八年間も勤務して、スニーカーのデザイナーをしている。

しかし、今、大失敗をしでかしてしまった。ドリューがデザインしたスニーカーに不都合が見つかってリコールとなり、会社に $972.000,000 ($1=¥ 110 換算で約 1,070億円!)の損害を出させてしまったのだ。

ドリューは取り返しのつかない失敗に意気消沈するばかりか、会社は当然クビになる。職場恋愛していた恋人のエレン・キシュモア(ジェシカ・ビール)にまで去られてしまった。

 もうこうなったら死ぬしかない、とドリューは自殺の準備に取り掛かる。
テレビやDVDプレーヤーといった所持品も処分した。長いこと使っていない動かないバイクとナイフを使って自殺をまさにしようとしていたその時、妹ヘザー(ジュディ・グリア)から電話がかかってきた。

妹は泣きじゃくって、父親ミッチ・ベイラー(トム・デヴィット)が亡くなったことを告げる。
父親は、親戚を訪問したケンタッキー州エリザベスタウンで亡くなったのだ。

母親ホリー(スーザン・サランドン)はエリザベスタウンの連中が好きではないし、妹には子供がいるので、父親の亡骸を引き取りにいくのはドリューの仕事になった。

 会社での挫折に追い打ちをかけて肉親の死という悲劇。
ドリューはもう自殺と言っていられなくなった。ドリューは飛行機でケンタッキー州エリザベスタウンに向かう。

機内はガラスキで、フライトアテンダントつまりスッチーの美しい女性と打ち解けてお喋りできた。クレア・コルバーン(キルステン・ダンスト)というその客室乗務員は明るく楽しく、落胆しているドリューの心を和ませてくれた。

お父様はいかが?と訊かれて、ドリューは一瞬言葉に詰まり、元気ですよ、と答えてしまう。ドリューは彼女に好意を持つし、クレアの方もドリューにちょっと恋に落ちた。

 そうしている間に機はエリザベスタウンに到着して、乗客ドリューとスチュワーデスのクレアは別れた。
ドリューは初めて見るエリザベスタウンの風景に目が覚める想いだった。

父親がここにいてドリュー自身は何も知らなかった土地エリザベスタウン。エリザベスタウンの街も町人も知らないことばかりでドリューは戸惑っている。

 そして色々考える。父親の遺体は、母が望んでいるように火葬にするか、または父の友人達が望んでいるように埋葬するか。ドリューが知らないエリザベスタウンの人達から見て父親とはどんな人だったのか。

こういうところ、
『 ママの遺したラヴソング (2004) A LOVE SONG FOR BOBBY LONG 』
『 MY FATHER マイ・ファーザー (2003) MY FATHER, RUA ALGUEM 5555 』
『 ビッグ・フィッシュ (2003) BIG FISH 』等に相通ずるところがある。

エリザベスタウンの街の賑やかで知らない環境を歩いてみたり。そしてエリザベスタウンの町人たちや親戚の熱心さに打たれたり。

 『 エリザベスタウン 』は、家族の結束、親戚の結束をキャメロン・クロウ監督は描きたかったのだ。
監督の家族はこのエリザベスタウンに実際にいるので、だからこそここエリザベスタウンを舞台にしている。

ドリューの従兄でジェシー(ポール・シュナイダー)という男は子供がいるけど、ジェシーはその子の扱いがわかっちゃいない。ジェシーは子供のいる‘子供’だというエピソードもある。

 ドリューの母親ホリーは非常に過敏で、料理にダンスにコメディ等、これまでしたいと思ってもしてこなかったことをして夫の死という悲しみを受け流すようにしている女性だ。

ホリーはエリザベスタウンに姿を現す。ドリューの父親つまり亡きミッチを自分達から奪っていったと責めているエリザベスタウンの夫ミッチの友達と直面するために。

ホリーは舞台に登場してコメディを演じる。その意味は、毎日暮らして楽しみなさい、と示唆しているのだそうだ。

 ドリューはこういうエリザベスタウンに影響を受け、最たるものはあの時のフライトアテンダント、クレアとのロマンス。二人はまだ赤の他人なのだけど、ドリューはある日、結婚式の披露宴を見たら急に孤独感が募って、クレアに電話した。

そして一晩中、電話し続ける。じゃあ、もう切って、と言いながら、次の話題ができるとまたずるずると電話が続く。その間、洗濯したりトイレに行ったりうろうろしたり、受話器は耳に押し付けているから耳が痛くなるくらい。

機内で答えた、父親が元気だというのは嘘だったことも伝えた。こういう二人をコミカルに描きながら、心の奥底から安心感、連帯感、愛情が沸き上がってくるのを感じられるのだ。

クレアとの出会いでドリューは生きる意欲が沸いてきた。これからの人生を二人で進んでいくのだという夢と勇気が生まれた。

 この映画『 エリザベスタウン 』は、ロマンスだけでなく、感動的で、人間味と愛情がいっぱいで、おかしさもいっぱい。

そしてドリューのクレアとの恋愛は、人生の行き先を導き、ちっとも予期しない時に驚くべきことが起こることを示しているそうだ。

並行して、ドリューがエリザベスタウンに行ったことは、この世の中にはまだまだ知らないことがいっぱいあるのだよ、という教えであるそうだ。
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