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『君のためなら千回でも(The Kite Runner)』の著者カーレド・ホッセイニ氏へのインタビュー

映画化され現在公開中の『君のためなら千回でも』の著者カーレド・ホッセイニ氏へ昨年アメリカで行われたインタビューより掲載しております。

UNHCR ワシントン(2007年2月16日)発:
カーレド・ホッセイニ氏は昨年UNHCRのアメリカにおける親善特使と任命された。元アフガン難民による処女作の小説『君のためなら千回でも』は全世界でベストセラーとなった。彼がUNHCR駐米事務所のシニアメディアオフィサー、ティム・アーウィンと最近行なったインタビューからの抜粋

『君のためなら千回でも』が、アフガン難民に多くの人が関心を高めるきっかけになったと思いますか?

そう願います。アフガニスタン全般の状況について確実に多くの注目を集めたでしょう。私は頻繁に読者からメールをもらいます。私の小説を読んでからアフガニスタンに対してより深く理解するようになり、アフガニスタンとその人々に対して身近に感じるようになったと語ってくれています。

最近、アフガニスタンに帰国されましたか?またどのような感想をもたれましたか?

本が出版される数ヶ月前の2003年3月にアフガニスタンに行きました。27年もの間国を離れていたので、訪れた時には街は一変していました。物理的な観点で見てもインフラは破壊され、カブールの大半は破壊されたかそのまま放置された状態でした。まさに私が小説に書いたことと同じようなことが起こっていたのです。未亡人、孤児、戦争で負傷した人、退役軍人、手足の不自由な人が大勢おり、人々は道端でただ佇んでいました。

また1970年代には記憶にない銃の存在や軍隊が駐留していました。自分の記憶にあるよりも街は非常に混雑していて、大変汚染されていました。とはいえ、2003年には街には非常に良い前向きさがあり、人々は様々なプロジェクトに貢献しようと走り回っていました。それ以来訪れてはいないので、現在状況が変わってしまったのかどうかは分かりません。

最近チャド東部の難民キャンプを訪れたそうですが、そこで何を感じましたか?

ダルフールの悲劇について、記事を読んだり、テレビで見ることはできますが、実際にダルフールでの残虐行為によって傷ついた人々の手を取り、話をするということは全く異なる経験です。

チャド東部にいる間に、私は何人かの難民と話をし、彼らの話に耳を傾けました。ダルフールに戻った人々に何が起こり、人々はそれにどれだけ耐えなければならなかったのか・・・ぞっとするほど恐ろしいものでした。彼らと出会い腰を下ろして話をした後、私はダルフールに起きた大変な大惨事をとても他人事とは思えませんでした。

またUNHCRのスタッフを含めチャド東部で彼らのために働いている人道支援活動をしている人々が、彼ら自身にとっても大変な危険な状況の中で仕事しているのだという印象をもちました。

チャド東部の状況は、私が予想していた以上にとても緊張したものでした。反乱軍と政府軍との戦いは続いており、状況は非常に不安定でした。私はたった一週間しか滞在しませんでしたが、この緊張感の中で来る日も来る日も働いているスタッフに対して深く敬服します。

これら私が感じた主な感想の2つですが、この紛争がどれだけ複雑で、民族意識がどれだけ深く根付いているかということを深く理解することができました。状況は変化し続けていますし、全ての異なる派の動向を追い把握するのはとても困難なことです。

チャドであなたが出会った医療チームのことをお聞かせください。

私自身も医師ですが、チャドで活動する医師たちがどれほど困難な状況下で仕事をしているのかを想像することしかできません。

彼らは極限の環境の中で人々を治療し、そしてとても限られた治療設備しか持っていません。また、様々な疾病にさらされる環境にいる大勢の人々を治療しなくてはなりません。私は出会った医師たちの治療技術と人々への対応に非常に深く感銘を受けました。

現場において医師たちは、難民と現地のチャド人だけを治療するのではなく、反乱軍、チャドの軍人、強盗など様々な人々を治療しなくてはならないという困難な状況の中で活動しています。

彼らは無条件にただ治療をしなくてはなりません。私自身がこのような状況下で医師として活動をすることが果たしてできるのかと、何度か自分自身に問いかけました。そして考えるほど彼らに対して敬服の念を抱きました。

UNHCRとこれから何を予定していますか? 

難民支援のために公の場に出て、世界中の難民への啓蒙活動に務めるよう依頼されました。世間の人々の関心を集め、私自身のメディアへの露出を活かして人道危機の犠牲者について代弁することは、私にとって光栄なことだと思っています。

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